2023/01/24更新
チャバネゴキブリは繁殖力・薬剤抗体がヤバい!
個人宅・店舗で出たらすぐに駆除と対策を!
チャバネゴキブリは、従来飲食店などの店舗に発生する事例が多かったのですが、この数年で個人宅にまで被害が拡大しております。
プロの業者でも解決するのも苦戦するほど厄介な種類で他のゴキブリとはまるで別格です!
そんなチャバネゴキブリがなぜヤバいのか?
生態や駆除と対策方法を店舗向けと個人宅向けに詳しく解説しています。
チャバネゴキブリとは、ゴキブリの一種で一般的なクロゴキブリとは違い、成虫のサイズは1㎝~1.5㎝ほどのサイズで比較的小さく黄褐色(ゴールドよりの茶色)をしています。
以下チャバネゴキブリのリアルなイラスト。
寒さに弱く基本的に屋外ではなく屋内に生息します。(モリチャバネゴキブリを除く)
生息地は、全国的に発生しており【飲食店・病院・ホテル・オフィスビル・大型施設・幼稚園、保育園】といった建物の主にキッチン(厨房)に発生・住み着きます。
また暖かい所を好みますので、24時間電気やモーターが作動している『冷蔵庫・電子レンジ』や店舗ですと『レジカウンターの中・コーヒーメーカー』などに住み着く事例もございます。
個人宅での発生は少ないのですが、近年徐々に被害が拡大しており、弊社もお問合せ数が増加しております。
特にアパートやマンションで繁殖すると同じ建物内の他の住居者にまで被害が拡大するので大変な事になります。
おいら達寒いの苦手だから室内は天国だ!
君たちはすぐ繁殖するから大変だよ。。
最近はある方法で個人宅にも入れるんだぜ!
基本的に屋外での生息はしませんので、持ち込みが原因となることがほとんどです。
それ以外にも意外なところから持ち込んでしまう可能性も。。
日頃から毎日のように食材等を搬入しておりますので、その搬入物のダンボールなどにチャバネゴキブリが混入し、繁殖します。
ある大手の飲食店グループは、搬入物を外で検品し、ゴキブリなどの害虫が混入していない事を確認してから店舗内に運ぶほど徹底している会社様もございます。
そのぐらい店舗や施設でお客様からチャバネゴキブリを発見されると信用が落ち不衛生という見方をされてしまいます。
近年、インターネット通販の需要が上がり、誰でも1度は利用したことがあるのではないでしょうか?
各種通販や飲料のダース買いはもちろん、海外の商品通販のダンボールにチャバネゴキブリが混入し、個人宅でも発生するリスクがとても増えております。
特に2020年の新型コロナウイルス感染の影響で、更に通販を利用される方が増え、それと並行して個人宅でのチャバネゴキブリの被害件数の増加しております。
また、他にも中古家具(電子レンジ・冷蔵庫・キッチンなど)を購入し、巣になっているのを気づかず持ち込んでしまったケースや勤務先などから持ち込んでしまっているケースも少なくありません。
おいら達は世界に仲間がいるんだぜ!
それなら海外からの荷物も要注意だな。。
チャバネゴキブリは、他のゴキブリとはまるで別物と考えてください。
一番の特徴は、成長スピードが異常に早いという点ですので、そちらを以下の表にまとめました。
体長(大きさ) | 1㎝~1.5㎝ |
気温の適応 | 寒さに弱く、屋外での越冬は不可能 |
生態 | 不完全変態(脱皮を繰り返すが形はほとんど変わらない) |
生活特徴 | 集団生活昆虫で幼虫から成虫も共に暮らす。 |
脱皮回数 | 生涯で約6回ほど脱皮を繰り返します。 |
行動範囲 | 狭い(基本的に10M以内) |
発育速度 | とても速い(1年で2世代以上繁殖) |
産卵可能 | 生後1ヶ月~2ヶ月前後 |
1回の産卵 | 1つの卵鞘から34~42匹 |
卵を持つ期間 | 20日前後抱える(死に際にも生み落とす) |
産卵場所 | 巣の周辺 |
孵化速度 | 落下と同時に孵化 |
産卵周期 | 1ヶ月から1.5ヶ月に毎回 |
チャバネゴキブリが駆除で一番難しい点は、孵化速度です。
例えばメスのゴキブリは20日前後卵をお尻に持っておりますので、そのゴキブリを発見し殺虫剤で駆除した場合、ノックダウンまでに時間がございますので死亡する前に隙間や床下・壁裏などに行ってしまうとそこで卵が孵化してしまったらまた繁殖してしまいます。
※2023年1月現在、散布系の薬剤で卵に効く物は世の中にございません。
唯一卵に効く物は、ベイト剤(毒餌)を経口で食べさせて卵にまで毒を回す以外ございません。
見ての通り1年で100匹以上が繁殖するんだ!
これが何匹もいたらすぐに大量発生だ。。
僕たちは早いと1ヶ月で卵が産めるようになるよ!
他のゴキさんは1年以上かかるのなんてスピードだ。。
チャバネゴキブリの生命サイクルがとても速いことはご理解いただけたかと思います。
その生命サイクルが速い分、薬剤の抗体もすぐについてしまうので、同じ主成分の薬剤を使い続けると抗体を持って生まれてきたチャバネゴキブリには通用しなくなります。
プロの業者(PCO)は、薬剤抗体をつけさせない為に『ローイング』といって数ヶ月に毎に薬剤の主成分を切り替え施工をおこないます。
現在、ベイト剤でも使用されている『ヒドラメルチノン』という成分は、既に抗体ができておりますので使用しても効きません。
『ヒドラメルチノン』は、50年以上前に出来た成分ですので無理もないですが、こうしてすぐに抗体がついてしまうので、薬剤メーカーは常に新しい有効成分を探し、商品開発をおこない続けております。
(2023年1月現在)最新の有効成分は、2021年10月25日に三井化学アグロ株式会社から販売が開始された、『ベクトロンFL』という新系統のメタジアミド系殺虫剤テネベナール(一般名:ブロフラニリド)を有効成分に使用した散布剤です。
既存の薬剤に抵抗性を獲得したゴキブリに対しても高い効力を示すことが確認されており、弊社でも取り扱い及び施工をおこなっておりますが、とても効きます。
遅効性で作られておりますので、ゴキブリの特徴である『仲間ゴキブリ同士の舐め合い・共食い・接触』する為、連鎖駆除する事が可能で7日間でのノックダウン率は100%です。
また、従来の残留薬剤(MC剤も含む)は、最長1ヶ月の残留期間でしたが、こちらの商品は3ヶ月残留しますので、店舗様に関してはチャバネゴキブリが減った維持期間になりますと、3ヶ月に1回の施工で済むようになる為、年間の駆除コストが大幅に下げる事が可能です。
※ベクトロンFLは、プロ専用に販売されておりますので、一般個人・セミプロの方は購入できません。
こ こ が ポ イ ン ト☝
もしご自身でチャバネゴキブリの駆除をしていて解決できない場合は、プロの駆除業者に依頼するかと思いますが、その際に以前使ったことがある薬剤はしっかりメモを取っておき、業者に伝えましょう!
他の業者に乗り換える時も同様です!
伝えることによって、『その成分は使っていたから他の有効成分を使おう』と業者は考えますので、解決が速まります。
チャバネゴキブリを解決するには、考え方がとても重要になります。
注意点は、薬剤抗体をつけさせないように同じ有効成分の薬剤を半年以上使用しないことが大前提。
一番やってはいけない駆除方法は、目先を追って、殺虫剤や燻煙剤(バルサンやアースレッド等)を行うと大量に駆除ができ、一見減った感じが一時的に出るのですが、その方法で完全に駆除することは不可能です。
僕らは様々な所に隠れてるからね!
同じ薬剤を使い続けると僕らの子供達は抗体を持って生まれてくるんだ!
【駆除剤を使用しない2つの理由】
1つ目の理由:床下・壁裏・電化製品の中に住みかを作りますので、エアゾールや燻煙剤はそこまで届ない。
2つ目の理由:卵を持っているメスが死に際に物陰や薬剤の住みかに届かない住みかで死亡すると卵を産み落としまた40匹前後が生まれてきてしまう為いたちごっこ状態になる。
このように目先の駆除をおこない続けると、最悪薬剤抗体がついてしまい更に解決が困難になります。
では、どのように駆除していくのが正解なのでしょうか?
どれだけ連鎖駆除を出来るかが重要だよ!
連鎖駆除とは、ゴキブリの生態や行動習慣をうまく活用して駆除する方法です。
主にベイト剤(毒餌)・残留薬剤を使用し遅効性(死滅するまでに時間が空く)を考えて作られておりますので、こちらを活用して連鎖駆除を行い解決していきます。
ベイト剤(毒餌)は、食べてから6時間~24時間かけて毒に感染して死滅するようにできており、卵を持ったメスの卵にまで感染するので孵化も阻止できるというメリットと『仲間ゴキブリの食糞』『弱った仲間の共食い』する習性がありますので、毒が回った仲間・糞を食べると、食べたゴキブリまで毒が周り連鎖駆除されます。
残留薬剤は、忌避性(寄せ付けなくする成分)が無くゴキブリが頻繁に通る箇所に散布することによって『お尻を地面につけて移動』するので、薬剤が付着し『仲間ゴキブリ同士の舐め合い』『仲間同士の接触』で他のゴキブリにも薬剤が付着し、連鎖駆除が可能です。
こ こ が ポイント☝
ベイト剤(毒餌)をどれだけ食べさせられるかが解決のカギとなり、忌避性が無い残留薬剤との相性は抜群です。
ダメな例は、エアゾール(殺虫剤)をベイト剤の設置箇所や周辺に噴霧してしまうと、少なからずピレスロイドの忌避成分が入っておりますので、食べが悪くなり解決が長引きます。
弊社は、戸建て・マンション・アパート・店舗・施設・工場・ビルなど様々なチャバネゴキブリの駆除を行い解決してきました。
もちろん他業者が解決できなかった案件も含まれます。
【解決するまでの流れ】
現地にお伺いし、侵入経路やローチスポットの確認とお客様から発生状況(いつから出てるか・増えているか・どのように駆除してきたか)を細かく聞きます。
現地やお客様の情報からベイト剤(毒餌)の有効成分を決め、侵入経路とローチスポットに大量に設置していきます。(ゴキブリの量が多いとすぐに食べつくされる為、多めに仕掛ける)
残留薬剤(弊社の場合、ベクトロンFLを使用)をローチスポット・侵入経路・通り道にしっかり散布していきます。
連鎖駆除を目的としている為、できる限りエアゾール(殺虫剤)の使用は控えて施工していきます。
※住みかから出ているチャバネゴキブリや調査時のフラッシング作業はエアソールを使用する。
調査トラップ(粘着トラップ)は、増えたのか減ったのかを確認する為にとても重要です。
以下の表でチャバネゴキブリ維持管理の水準を常に調査します。
水準 | 状態 |
許容水準 | 以下全てに該当すること ①トラップによる捕獲指数が0.5未満 ②一個のトラップに捕獲される数が2匹未満 ③生きたゴキブリが目撃されない |
警戒水準 | 以下全てに該当すること ①トラップによる捕獲指数が0.5以上1未満 ②一個のトラップに捕獲される数が2匹未満 ③生きたゴキブリが目撃される ※その他、①~③の条件について許容水準及び措置水準に該当しない場合は 警戒水準とする |
措置水準 | 以下のいずれか1つ以上に該当すること ①トラップによる捕獲指数が1以上 ②一個のトラップに捕獲される数が2匹以上 ③生きたゴキブリがかなり目撃される |
以下が措置水準の実際の調査トラップ写真になります。
カラーですと気持ち悪いので白黒加工しております。
調査トラップは、多少の駆除ができると同時に指標とするのに最適です。
チャバネゴキブリに関しては、どんなプロでも1回で解決することは困難ですので、基本的にPDCAサイクル(Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善))を回し、ローイング(薬剤の主成分変更)をしていきます。
プロはここまで考えて施工するんだね!
ここまでしないと君たちを退治できないんだ!
僕らの住みかに『害虫獣SOS』が来たら終わりだ。。
他業者が解決できない案件も僕たちは解決してきたからね!
うっ、、出来れば来ないでくれ。。
自分でチャバネゴキブリを駆除する方法は、少ないのですがプロができる限り推奨するやり方をご紹介いたします。
他のゴキブリと違い、チャバネゴキブリに関しては行動範囲が極端に狭いので、よく見つける周囲にローチスポット(巣)がある可能性が非常に高いです。
チャバネゴキブリが好むスポットは『キッチン下』『冷蔵庫の下』『ウォーターサーバーの裏』『ゴミ箱周辺』になりますので、基本的にキッチン下は配管の周りに隙間があり床下とつながっている為、ローチスポットになっている可能性が高く、そこから暖かい電化製品のモーターに住み着く傾向にあります。
住みかがわかったら実際に駆除と対策をおこなっていきますが、まず周辺のドラックストアや通販で粘着トラップの『ゴキブリほいほい』を大量に買いましょう!
粘着トラップを仕掛けて、数日単位で回収と設置を繰り返して行きましょう!
こ こ が ポイント☝
仕掛ける場所は、必ずローチスポットの周辺のみにしてください!
関係ない箇所に置いてしまうとそこにも誘引してしまい、見かける頻度が増えてしまいます。
これは毒餌剤を仕掛ける時も同じく、部屋のいたる所においては絶対ダメです!
市販の毒餌剤は、ドラックストアに売っておりますので『フィプロニル』という有効成分が入っている商品を買いましょう!
仕掛ける場所は、発生源のスポットのみに設置してください!
調査トラップと同じく関係ない箇所に置いてしまうとそこにも誘引してしまい、見かける頻度が増えてしまいます。
こ こ が ポイント☝
市販の物ですと毒餌剤が見えないようにキャップがついておりますので、数日毎にキャップを開いて毒餌が食べられているか確認しましょう。
長期に使用しますと薬剤抗体がついてしまいますので、半年以上連続して使用してはいけません。
半年経っても解決できなかった場合は、ご自身での駆除は諦めてプロの業者に依頼してださい。
ここまでやって解決できない場合は、プロしか解決することはできません。
発生源が近隣の家・近隣の店舗の場合は、最終的に発生源を駆除・対策をおこなわないといつまで経っても解決できないケースがございます。
弊社が実際にあった事例を紹介していきます。
近隣でチャバネゴキブリが大量に発生している場合、集合住宅の構造で建物内部(床下・壁裏など)が繋がっておりますので、発生源の部屋の両隣のまで被害が拡大する事もございます。
わかりやすい家ですと、発生源のお部屋の前などに生きたチャバネゴキブリや死骸がある事がございます。
このように自分の部屋の周りを調査してみるとわかる可能性もございます。
わかった場合、賃貸物件なら管理会社に相談・分譲なら管理組合・業者に相談しましょう。
お隣さんなどでゴキブリが大量発生し、自分の家まで被害が出るケースもございます。
実際に弊社のお客様が何年も戸建ての家を放置した結果、ゴキブリが大量発生してしまい、近隣住民様とトラブルになり周りの住民様は日頃からゴキブリが出るようになり大変な事態になった実際のケースがございます。
わかった場合、賃貸物件なら管理会社に相談・持ち家なら直接訪問又は近隣住民・業者に相談しましょう。
はい、とても危険です。
その1匹がメスだった場合は、あっという間に大量繁殖する恐れがございますのですぐに業者を呼ぶか、この記事にご自身で出来る駆除と対策方法を詳しく書いておりますので実施してください。
簡単計算しますと、1匹から45日毎に40匹孵化する計算で8回の産卵ですと320匹となります。
その子も孵化から1ヶ月から2ヶ月後には産卵できますので、1年で1000匹を超える可能性もございます。
金銭的に余裕があるなら業者にお願いする事を推奨します。
ご自身でどうにか頑張ってみたいという事であればこの記事にご自身で出来る駆除と対策方法を詳しく書いておりますので実施してください。
まず1点目は、資格を所有している業者にお願いする事が大前提です。
セミプロレベルですと、知識や経験・取り扱いできない薬剤があるので難しいからです。
2点目は、ゴキブリ駆除が得意な業者か否か。
害虫駆除業界も様々なジャンルがありますので、ゴキブリ駆除が得意な業者を選びましょう。
まずはお気軽に弊社にご相談ください。
電話・LINE・メールからご相談できますので、最適な方法をお伝えします。