2025/01/31更新
突然ですが、まずこちらの画像をご覧ください。
これはトコジラミに刺されたあとの腕の写真です。刺された箇所には、このようにブツブツと赤く小さな斑点や腫れが現れます。そして何より特徴的なのは、刺された部位に強いかゆみを感じることです。
同じような跡が身体のどこかにあり強いかゆみを伴っている場合、トコジラミに刺された可能性があります。
先ほどの画像で紹介した通り、トコジラミに刺されると猛烈な痒さと赤く小さな斑点のような跡が残ります。
これはトコジラミが吸血時に注入する唾液によって起こるアレルギー反応によるものです。
繰り返しトコジラミに吸血されると、唾液のアレルギーに反応する抗体が体内にできてかゆくなります。
初めてトコジラミに刺された人は、アレルギーに対する抗体ができていないため、症状が出ない場合が多く、どこで刺されたか発生源の特定が難しくなります。
反対に繰り返し何度もトコジラミに刺されると、より早く症状が現れますので、トコジラミの発生場所を突き止めやすくなります。
トコジラミに刺されてから2週間後の腕の画像です。
トコジラミは吸血する時に、血液が固まらないように自分の唾液を注入する習性があります。この唾液に対してアレルギー反応が起こり抗体ができると痒くなったり赤く腫れてしまいます。
トコジラミに刺されてからだいたい1週間以内には症状が現れ始めますが、体質によりまったく症状がでない人もいます。
過去にトコジラミに刺された経験のある方の腕です。
すでに体内に抗体ができているため、刺されてから数時間から3日程でこのような症状が現れます。
以前に刺された回数が多いと、症状がすぐに発生するようになります。
トコジラミは負の走光性と呼ばれる夜行性の害虫なので、暗くて静かな夜間に行動が活発になります。また、人間の汗の匂い、体温や二酸化炭素に引き寄せられモゾモゾと活動を開始します。
夜間に主に活動して汗や体温に寄ってくる・・・そう、寝ている最中が一番トコジラミに刺される時間帯なんです。
そして就寝中に着用する寝間着の長さによって、トコジラミに刺される場所が変わっていきます。
就寝中はいつもなにを着て寝ていますか?愛用のパジャマを着る人もいれば、Tシャツとハーフパンツで寝る人もいるでしょう。夏場なんてもっと薄着で寝ている方もいるかもしれません。
トコジラミは肌が露出している箇所を刺すので、地肌の露出が高い格好で寝ると、それだけ広範囲に刺される可能性が高くなってしまいます。
トコジラミに刺される場所は、主に腕や足や顔、首などが多いです。
就寝中に刺されることの多いトコジラミですが、ベッドや寝具の他に普段はどこに身を潜めているのでしょうか。
布製品の家具以外にも、室内の思いもよらない場所に潜伏している可能性があります。
トコジラミは暗くて狭いすき間が大好きな害虫です。
トコジラミはゴキブリなどの他の害虫と違い、室内の衛生環境に関係なく、吸血源の人間と隙間があればどこにでも潜伏することができます。
人間が寝ている場所の近くに生息していることが多いですが、その他にも以下の様な場所に潜伏しています。
たとえば、家具の縫い目や裏側、クッションのすき間、タンスや引き出しの奥などのわずかな隙間でも生息できるため、簡単には目につきません。
また、カーテンの折り目やぬいぐるみや枕カバーなどの布製品の縫い目やファスナー部分、本や雑誌などの紙製品にも紛れこむことがあるため、家中のあらゆる小物に注意が必要です。
トコジラミは夜行性で明るい光を嫌うため、日中に個体を発見することは困難です。
そのため、潜伏場所を発見するには、まずは血糞の存在に気付くことが重要です。
血糞はトコジラミが潜む場所の入り口付近に多く見られるので、発見した際にはトコジラミの生息を強く疑う必要があります。
このように大量に赤黒いシミがシーツに残っている場合は、トコジラミが潜伏している紛れもない証拠です。
トコジラミの痕跡を探し隠れ場所を知ることで早期発見につながり、大量発生を未然に防ぐことができます。
トコジラミに刺された箇所は、大体1週間から2週間ほどで自然とかゆみと刺し跡は消えていきます。
それまでの間にトコジラミに刺された箇所を搔きむしってしまうと、傷が深くなり跡が残る可能性がありますので注意が必要です。
軽傷の場合は、市販のかゆみ止め軟膏でも効果はありますが、耐え難いほどの強いかゆみが生じる場合は、医師や薬剤師の指導に基づいてステロイド外用薬を処方してもらうと効果的です。ただし、ステロイドも塗布は長期間使用すると副作用のリスクが高まるため、同様に医師・薬剤師の指導下で行ってください。
また、まれにトコジラミに刺された際のアレルギー反応で発熱する場合がありますので、不安な場合は医療機関に診てもらうことをおすすめします。
トコジラミに刺された場合、過去に刺された経験の有無でその症状が変化していくことがあります。
また繰り返し何度もトコジラミに刺されることによって徐々に体への反応が変わってきます。
実際にどのような変化があるのか以下で説明していきます。
初めてトコジラミに刺された場合、体にアレルギーに対する抗体ができていないため、かゆみや腫れなどの症状が発現しないことが多いです。
つまり、いつどこでトコジラミに刺されたのか原因が判明できないケースや、知らず知らずのうちに外出先から自宅に持って帰ってきてしまうケースが多く発生しています。
過去にすでにトコジラミに刺されており、体に抗体ができていると、遅延型反応と呼ばれる発疹やかゆみが現れ始めます。
この反応は、刺されてから2日~1週間で出てくることがあり、刺された箇所が赤く腫れあがったり、小さな赤い蕁麻疹のような発疹が複数できたりと個人差があります。
遅延型反応の場合、刺されてからタイムラグがあるため、旅行中や出先でトコジラミの被害にあっていても原因に気付かないことがあります。
トコジラミに繰り返し何度も刺された場合、遅延型反応から即時型反応へと変化していきます。これは刺されてからその直後~数時間でかゆみ伴う炎症反応がでてきます。
刺される回数が多いほど、刺されてから症状が現れるまでの時間は短くなっていきます。
さらにその後もトコジラミに刺されると、さらに強い反応に変化・・・しません。
皮膚の反応は回数を重ねるごとに弱まるため、トコジラミにたびたび刺される人ほど、意外にも目立った発疹やかゆみが見られない場合があります。(個人差があります)
トコジラミに刺された痕は、蚊やダニといった他の虫刺されと似ている場合があります。
しかし蚊に刺されたときは通常、刺し跡が1か所だけで済むのに対し、トコジラミの場合は複数の赤い発疹が連続して現れるのが大きな特徴です。
これはトコジラミが吸血の際に口器を何度も刺し直すため、同じ狭い範囲に紅斑や発疹が集中しやすいことが理由として挙げられます。
特に多数のトコジラミが室内に生息していると、これらの症状が広範囲に及ぶことがありますので注意が必要です。
トコジラミは夜間に吸血するため発見が難しく、ダニは体長が非常に小さいため目視での確認が困難です。
いずれも吸血する害虫ですが、刺された箇所によってどちらの害虫による被害か見分けることができます。
そこで、刺された場所を手がかりにトコジラミかダニかを見極めるポイントを以下に紹介します。
トコジラミは人間の就寝中である深夜帯に活動が活発になり、衣類から身体の露出している箇所に複数回刺します。
したがって衣服に守られている場所は刺されることがありません。
首や顔も露出しているのでトコジラミに刺される場合があります。
衣服の中に潜り込み、体の比較的やわらかい場所を刺されます。
例えば、おなかや太ももなどが刺されやすい箇所です。
またダニの場合は、明るい場所でも活動しますので、昼夜関係なく刺されることがあります。