2025/04/30更新
「夜中に何かに刺された…」「朝起きたら腕に赤いポツポツができた」
それもしかしたら、トコジラミかもしれません。
近年、旅行先やホテルで持ち帰ったり、引越しをきっかけに被害が広がったりと、トコジラミの相談件数が全国的に急増しています。
トコジラミは見た目は小さいのに繁殖力は非常に高く、放っておくとあっという間に家中に広がってしまうことも…。
この記事では、「自分でなんとかしたいけど難しそう…」「そもそもどうすれば駆除できるの?」という方へ向けて、プロ目線での対処法から徹底解説します。
トコジラミは別名「南京虫」とも呼ばれる吸血性の害虫です。
人が寝ている間に血液を吸い、噛まれた箇所に強いかゆみや赤みを引き起こします。
トコジラミは生命力が非常に強く短期間で大量繁殖するため、海外旅行や宿泊施設から自宅に持ち帰ってしまい、自宅内で大量発生するケースも多い害虫です。
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トコジラミは、一見するとゴマのような見た目をしていて平べったく茶褐色の小さな虫です。
体長は5~8mm程度で、血を吸った後は体がふくらみ、赤黒く膨張します。
幼虫はさらに小さく、半透明に近い色をしているため発見するのは困難です。
主に寝室周辺に隠れていることが多く、夜行性で光を嫌うため、夜間の被害が発生しやすい傾向があります。
トコジラミが好んで生息するのは、ベッドやマットレスの隙間、ソファ、カーペットの裏側など、寝室周辺の家具です。
また、壁紙や畳の裏、電気コンセントの内部といった、暗くて狭い場所にも潜んでいます。
人が長時間過ごす場所ほど好まれやすく、普段目が届かない場所に生息するため、初期段階での発見が難しいのも特徴です。
ホテルや宿泊施設、公共交通機関など、人が頻繁に出入りする場所から自宅へ持ち帰ってしまうこともあるため注意が必要です。
トコジラミが発生する原因のほとんどは、ホテルなどの宿泊施設から自宅への持ち込みです。
ゴキブリなど他の害虫と違い、トコジラミが屋外から自力で部屋に入ってくることはほぼありません。スーツケースやバッグなどの荷物や衣類に付着して、自宅内に侵入してしまうケースが多いのです。
ごく稀ですが、隣室でバルサンなどの燻煙剤を使用すると、薬剤を嫌ったトコジラミが壁の隙間を通じて侵入してくることがあります。
一軒家の場合でも、トコジラミが発生した部屋に燻煙剤を使うと、逆に他の部屋へ拡散するリスクがあるので注意が必要です。
トコジラミが厄介とされる最大の理由は、非常に強い生命力と高い繁殖力にあるからです。
毎日産卵することが可能で、生涯に産む卵の数は500個にも達します。
また、気温の下がる冬でも活動が停止することなく、生き延びることができるほど生命力も強い害虫です。
一度室内に侵入されてしまうと短期間で爆発的に増えるため、一般家庭では完全に駆除するのは難しく、手に負えなくなるケースも珍しくありません。
近年では家庭だけでなく、介護施設や公衆浴場のマッサージチェアなどでも被害が増加しています。
知らない間に衣服や荷物に付着し、自宅に持ち帰ってしまうリスクがあるため注意が必要です。
実は、トコジラミの完全な駆除はプロの害虫駆除業者にとっても簡単ではありません。
それほどまでに、トコジラミはしぶとく再発しやすいという厄介な特性を持っています。
なぜここまで駆除が難しいのか、その主な理由を詳しく見ていきましょう。
トコジラミは、ベッドやマットレスの奥深く、家具の隙間など、普段は目の届きにくい場所に潜んでいます。
人が寝静まると、人間が吐き出す二酸化炭素を感知して近づき吸血します。
吸血された後に痒みを伴わない場合もあり、存在に気づくまで時間がかかり早期駆除が難しくなるケースがあります。
トコジラミは非常に繁殖力が高く、毎日産卵することが可能です。
一度の産卵で5~6個の卵を産み、生涯500個の卵を産むことができます。
それが次々に孵化して新たな成虫となるため、気づいたときには大量発生していることも珍しくありません。
そのため、早期発見・早期駆除が重要になります。
トコジラミは、一般家庭でよく使用されるピレスロイド系の殺虫剤に対して耐性を持っています。
そのため、市販されている殺虫剤で対処しようとしても十分な効果が得られず、かえって駆除が難航するケースがあります。
専門業者が使用する薬剤でないと、効果が限定的なことが多いです。
市販の殺虫剤は即効性が高くても、残効性(効果の持続期間)が短いため、卵が後から孵化してしまえば再び駆除が必要になります。
完全な駆除には最低でも2回以上の薬剤散布が必要で、できるだけ長期間効き続けるタイプの殺虫剤を使うことが推奨されます。
トコジラミの被害は、清潔にしている自宅でも突然発生することがあります。
その多くの原因は、自宅以外の場所から持ち込みによるもの。
以下の点を確認してみましょう。
トコジラミは、ホテルや宿泊施設でよく発生します。
特に多くの人が頻繁に出入りする場所では、荷物や衣服にトコジラミが付着しやすく、知らない間に自宅へ持ち帰ってしまうケースもあります。
ベッドのシーツやマットレスの隙間、カーペットの裏側、家具の隙間に潜んでいるため、宿泊の際は荷物をベッドの上に置かないなどの注意が必要です。
中古で購入した家具や家電製品もトコジラミの発生源になる可能性があります。
前の所有者が気付かないまま、内部や隙間にトコジラミが潜んでいて、自宅で繁殖してしまうケースが多く報告されています。
中古品を購入する場合は、特にベッド、ソファ、家電製品の裏側や隙間をしっかり確認しましょう。
海外旅行や出張先からトコジラミを持ち帰るケースも非常に多いです。
トコジラミが生息する地域やホテルから、自宅までスーツケースや衣服などに潜んで移動します。
帰宅後は荷物を寝室に直接持ち込まずまずは屋外や玄関先で点検し、必要ならすぐに洗濯やクリーニングするのが効果的です。
もちろん、「できれば自分でなんとか駆除したい」という方も多いでしょう。
トコジラミを自分で駆除することは可能なのでしょうか?
残念ながら、自力でトコジラミを完全に駆除するのは非常に難しいです。
その理由は、トコジラミの卵や幼虫がとても小さく、寝具の縫い目、家具や壁のわずかな隙間、ベッドの奥深くなどに潜んでいるため、すべてを見つけ出すことが困難だからです。
さらにトコジラミは毎日卵を産み続けるため、1匹でも駆除を逃れてしまうと、すぐにまた大量繁殖に繋がります。
また最近では、市販の殺虫剤に耐性を持つ「スーパートコジラミ」も増えています。
こうした種類のトコジラミには一般的な殺虫剤が効きにくく、自分で対処するのはますます難しくなっています。
完全駆除は難しいものの、自宅で簡単にできる応急処置はあります。
例えば、目に見えるトコジラミを掃除機で吸い取ったり、衣類や寝具を高温乾燥機にかけたりすると、一時的に被害を抑えられます。
また、トコジラミ専用の殺虫剤を使い、トコジラミが潜んでいる寝具やカーテンに噴霧しておくのも効果的です。
この場合、殺虫剤の成分がピレスロイド系ではなくて、テネベナールという成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。
ただし、あくまでこれは一時しのぎ。再発防止のためには専門業者への依頼がベストな選択肢です。
トコジラミの被害にあって、専門の業者に相談する時に一番気になるのはやはり料金ですよね。
ここでは、プロ業者にトコジラミの駆除を依頼した時にかかる費用を説明していきます。
トコジラミ駆除をプロの業者に依頼した場合の費用相場は、部屋の広さや被害状況によって異なりますが、およそ5万円~8万円ほどが一般的です。
業者の作業は、まず事前の調査から始まり、トコジラミの発生源や被害の範囲を特定します。
その後、専用の業務用薬剤やスチーム処理などを用いて徹底的に駆除を行います。
また、卵や幼虫を完全に除去するために、最低でも2回以上訪問して作業をすることが多いです。
さらに駆除後には再発防止のためのアフターケアや定期点検を行う場合もあります。
プロ業者に頼む最大のメリットは、やはり駆除の確実性です。
自分で行う駆除は、一時的な対策にとどまりやすく、卵や幼虫の取り残しによって再発するリスクが高くなります。
一方、プロ業者はトコジラミの隠れ場所や生態についての専門知識が豊富で、見えない場所に潜む卵や幼虫まで徹底して駆除してくれます。
使用する薬剤や機器も市販品とは効果が大きく異なり、より高い駆除効果が期待できます。
トコジラミは、ゴキブリやダニなど他の害虫と違い、室内が清潔でも発生してしまいます。
そのため、しっかり予防意識をもつことがとても大切です。
では、どのような対策をすればトコジラミの再発を防げるのでしょうか?
トコジラミが自宅に発生する最大の原因は、ホテルや宿泊施設などの外部から自宅への持ち込みです。
外出先でトコジラミを100%防ぐことは難しいですが、以下のポイントを徹底することで、自宅に持ち帰るリスクを大幅に減らすことができます。
トコジラミの被害を防ぐためには、長期間残効するタイプの殺虫剤を布団やマットレス周辺に定期的に使用すると安心です。
殺虫剤を使用することで、万が一外部から持ち込んでしまったトコジラミが定着して繁殖する前に駆除できるため、日頃から予防効果が期待できます。
定期的に噴霧しておけば、常に予防効果を保つことができ、トコジラミ被害のリスクを大幅に減らすことができます。
トコジラミを発見したら、まずは被害の範囲や発生状況をできるだけ正確に把握しましょう。
ベッドの隙間や家具の裏など、目につきにくい場所もチェックし、卵や幼虫がいるかどうかも確認します。
初期段階でしっかり状況を確認することが、その後の対処方法を決める上で重要になります。
自力で駆除するか、プロの業者に依頼するかを判断するポイントは「発生規模」と「被害状況」です。
目視できる範囲で数匹程度(例えば、旅行帰りのトランクに数匹など)なら自力で対応できる可能性があります。
ただし、既に多数のトコジラミが確認される場合は、早めにプロに依頼するのがベターです。
判断を迷う場合も、一度業者に相談してみることをおすすめします。
トコジラミ対策は、最初の行動が肝心です。
早期に駆除対応を開始することで被害の拡大を防ぎ、短期間での解決が可能になります。
逆に初動が遅れると卵や幼虫が増え、一気に大繁殖してしまい駆除が困難になってきてしまうことも。
少しでも不安を感じるようならプロ業者への依頼を迅速に検討しましょう。
市販品の多くは効果が限定的です。特にピレスロイド系殺虫剤には耐性を持ったトコジラミ(スーパートコジラミ)が多いため、トコジラミ専用の殺虫剤が必要です。
トコジラミは清潔さに関係なく、宿泊施設や外部から持ち込まれることで発生します。衛生環境はあまり関係ありません。
市販の燻煙剤(バルサンなど)はトコジラミを逃がしてしまうため使わないほうがよいです。専用の残効性がある殺虫剤、熱処理を行いましょう。