2025/05/02更新
5月に入り、気温が上がるとともにトコジラミのご相談が増えてきました。
特に多いのが「朝起きたら腕や足に赤い虫刺されのような跡があり、強いかゆみが続く」「でも室内に虫が見当たらない」という内容です。
実はこうした症状、トコジラミの刺し跡である可能性があります。
今回は、トコジラミに刺されたときの具体的な症状や、他の虫との違い、気づくためのヒントについて詳しく解説します。
トコジラミに刺されると多くの場合、強いかゆみを伴い赤いポツポツとした発疹ができます。
刺し跡は1か所だけでなく、2〜3か所が近い間隔で並んで出ることが多いのが特徴です。
これは、1匹のトコジラミが一度に何度も吸血をするためです。
実際にご相談をいただいたお客様の許可を得て、トコジラミに刺された箇所の写真をいくつか掲載しています。
刺された位置や症状の出方は個人差がありますが、以下の写真を参考に見た目の傾向を確認してみてください。
トコジラミに刺されると、このように小さな赤い発疹が複数でき、強いかゆみを伴うのが特徴です。
左の画像は、複数のトコジラミに短期間で刺された時の画像です。
かゆみや発疹は過去にトコジラミに刺された回数によって、数時間〜3日遅れて変化して出てくることがあります。
過去に刺された回数が多いほど、即座に症状が現れ始めるのがトコジラミの被害の特徴とも言えます。
トコジラミに刺された箇所がかゆくなったり発疹ができる理由は、体の免疫反応によるものです。
トコジラミは血を吸うときに、血が固まらないようにしたり痛みを感じにくくするための唾液を皮膚に注入します。
この唾液の成分に体内の免疫システムが反応してアレルギー反応を起こし、かゆみや腫れを引き起こしてているわけです。1
またトコジラミに何度も刺されたことがある人は、体がその成分を覚えていて、より早く・強く反応するようになります。
そのため初めて刺されたときは症状が出にくくても、2回目以降はすぐにかゆくなるということが起きます。2
初めてトコジラミに刺された場合、かゆみや発疹などの症状が現れずに無反応で終わることがあります。
これは、トコジラミが血を吸う際に注入する唾液の成分に、体がまだ反応していないためです。
体内にその成分に対する抗体がないと、アレルギー反応が起こらず症状が出ないことがあります。
このため、初期段階では刺されても気づきにくく発見が遅れてしまうことで、気づいたときにはトコジラミが大量発生していた、というケースも少なくありません。
トコジラミの刺し跡は蚊やダニと非常によく似ていますが、刺された場所を見るとある程度判断することができます。
ダニは、服の下のやわらかい部分(太もも・お腹・背中など)を刺します。
対してトコジラミは、肌が出ている部分(腕・足・顔・首など)を刺します。
また、トコジラミは5~8mmと目で見える大きさですが、
ダニは0.5mm以下と非常に小さく、肉眼では見えません。
刺された部位と目視できるかどうかで、ダニとの違いを見分けることができます。
トコジラミは他の害虫と違い、室内の衛生環境に関わらず誰でも被害に遭う可能性がある害虫です。
刺された被害に気付いた時には、すでに室内で繁殖していたなんてケースもめずらしくありません。
トコジラミの発生原因のほとんどは、外部からの持ち込みによるものです。
特に多いのが、ホテルや旅館への宿泊、海外旅行、長距離バスや新幹線など公共交通機関の利用時が該当します。
衣類やスーツケース、バッグの隙間にトコジラミが付着し自宅に侵入するケースが増えています。
誰しも100%トコジラミを防ぐことはほぼ不可能で、被害をいかに拡大させないかが重要になってきます。
トコジラミは夜間に活動し、人間の血液をエネルギー源として吸血します。
そのため、寝室まわりやベッド、マットレスなど睡眠中の人の近くに潜むことが非常に多い害虫です。
また、温かく湿気のある環境を好むため、寝具まわりはまさにトコジラミにとって格好の棲みかといえます。
彼らは日中は暗く狭い場所に隠れていて、夜になると人間の呼吸に含まれる二酸化炭素を感知して近づき、血を吸いに出てきます。
トコジラミに刺されたかもしれない──そう感じたときに、「まず何をすればいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
刺し跡がかゆくてつらいのに、室内を見ても虫が見当たらない…。そんなときは、落ち着いて適切な対応を取ることが大切です。
ここでは、トコジラミに刺された直後にやるべき応急処置と、あわせて知っておきたい自宅でできる基本的な駆除方法や注意点をわかりやすく解説します。
トコジラミに刺されたら、まずはかゆみや炎症を抑える応急処置をしましょう。
かきむしると跡が残ったり、二次感染を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
応急処置としては、市販のかゆみ止め(抗ヒスタミン系軟膏やステロイド剤)を使うのが有効です。
冷たいタオルや保冷剤で冷やすことでもかゆみを和らげることもできます。
症状が長引いたり強い腫れ・熱感がある場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。
トコジラミに刺されたということは、すでに室内に潜んでいる証拠です。
応急処置と並行して、見える範囲だけでも駆除を進めておくことが重要です。
まずはベッドまわりを重点的に掃除機がけしましょう。
マットレスの縫い目、ベッド下、壁との隙間など、トコジラミが潜みやすい場所をていねいに吸引します。
ただし、掃除機で吸っただけでは卵や幼虫を完全に駆除することはできません。
掃除後はゴミパックを密封して廃棄してください。
トコジラミは繁殖力が高いため、一時的に数が減っても卵が残っていればすぐに再発する恐れがあります。
トコジラミに刺された場合、自分で駆除するか駆除業者に頼むか悩んでいる方もいらっしゃると思います。
結論から言えば、トコジラミの完全駆除は非常に難易度が高く、駆除業者への依頼を検討すべきケースが多いのが現実です。
トコジラミは1匹のメスが1日に5~6個の卵を産み、短期間で爆発的に繁殖します。
たとえ成虫をいくらか駆除できたとしても、卵や隠れていた個体を取り逃がせば再び大量発生につながるリスクがあります。
そのため、現場経験が豊富な業者による、徹底的な調査と駆除処理が重要になります。
また、プロの業者だけが取り扱える薬剤に「ベクトロンFL」という新薬があります。
この薬剤は、従来の殺虫剤に比べてトコジラミの抵抗性(薬剤耐性)が確認されておらず、非常に高い効果を発揮するのが特長です。
難航しがちなトコジラミ駆除でも、駆除業者に依頼をすることで再発リスクを抑えた処理が可能になります。
👉詳しくは以下の記事をご覧ください。
市販薬で一時的にトコジラミの数を減らせたとしても、卵や幼虫を取り残してしまうと再発のリスクが非常に高くなります。
プロの駆除業者は、トコジラミの潜伏場所を熟知しており、専用の薬剤やスチーム処理を組み合わせて根本的な駆除を行います。
また、現場の構造や被害の程度に合わせて最適な方法を選択してくれるのも大きな違いです。
さらに、業者によっては駆除後の経過観察や再発防止のアドバイスも行ってくれるため、安心感が違います。
駆除費用は4万〜12万円ほどが目安ですが、被害が拡大する前に依頼することで結果的にコストを抑えられることもあります。
「できれば業者に頼まず、自分でなんとかしたい」──
駆除業者に頼まず自分でトコジラミをなんとかしたいという方には、プロ業者専用の駆除剤「ベクトロンSP」がおすすめです。
この薬剤は、業者が現場で使用するベクトロンFLと同じ有効成分テネベナールを使用しており、市販の殺虫剤では効果が出なかったトコジラミにも駆除することが可能です。
テネベナールは、トコジラミがまだ耐性を持っていない最新の成分で、成虫や孵化したばかりの幼虫に対して高い効果を発揮します。
さらに最大90日間効果が持続するため、トコジラミを駆除したあとの再発を防ぐうえでも安心です。
実際に、ベクトロンSPを使って再発なく駆除に成功した例も多数報告されています。
費用を抑えたい方、自分で確実に対策したい方は、ぜひ一度ご検討ください。
トコジラミは海外旅行や宿泊施設から持ち帰られるケースが多いため、外出時の対策がとても重要です。
ホテルではスーツケースをベッドや床の上に直接置かず、バスルームや椅子の上などに置くようにしましょう。
また、チェックイン時にベッドまわりのマットレスの縫い目にトコジラミの血糞がないか確認しておくと安心です。
帰宅後は、旅行で使用した衣類やバッグを玄関先でチェックし、必要に応じて洗濯・高温乾燥を行います。
衣類だけでなくスーツケースの底部分や持ち手、ファスナー部分には注意が必要です。
日常生活では、トコジラミが潜みやすい寝具まわりやソファを定期的にチェックし、こまめに掃除する習慣をつけることが再発防止につながります。
特にマットレスの縫い目やベッドの裏、壁との隙間などは、一度発生すると気づきにくく再繁殖の温床になりやすいポイントです。
さらに効果的な予防として、ベッドやマットレスに業務用薬剤ベクトロンSPをあらかじめ噴霧しておくのもおすすめです。
90日間の長期間にわたって殺虫成分が残留するため、トコジラミの駆除と再発防止にも役立ちます。
「また出てきたらどうしよう…」と不安を感じている方は、日々の掃除に加えて、こうした予防薬剤の併用も選択肢のひとつです。
トコジラミは、小さくても非常にしぶとい害虫です。
一度家に入り込んでしまうと、放置するほど被害が広がり駆除も難しくなります。
まずは刺されたことに気づいた時点で、「どこから来たか」「どこに潜んでいるか」を冷静に探り、適切な対処を行うことが重要です。
応急処置、市販薬、自力駆除、そして必要に応じてプロへの相談。
これらを的確に使い分けることで、被害を最小限に抑えられます。
何より大切なのは、「早く気づいて、早く動くこと」。
この記事が、あなたとご家族の安心な生活に役立つことを願っています。
A. 個人差はありますが、軽度なら数日〜1週間で治まります。強いかゆみや腫れが続く場合は皮膚科の受診をおすすめします。
A. ステロイド系の外用薬や抗ヒスタミン薬の使用、冷却処置が効果的です。かきむしらないことも重要です。
A. トコジラミの刺し跡自体は直接感染しませんが、トコジラミが家の中で移動して他の部屋に広がる可能性はあります。早期の全体対処をおすすめします。
A. あります。トコジラミに繰り返し何度も刺されていると、最初に刺された時のように無症状で被害に気付かないことがあります。同居の家族の誰かにトコジラミの症状があれば注意が必要です。
A. トコジラミがまだ耐性を持っていない最新の有効成分「テネベナール」を配合しており、駆除業者が現場で使っている専用の薬剤と同じ有効成分です。市販品より駆除効果が高く、残効性も長いのが特長です。