2025/03/17更新
チャバネゴキブリはクロゴキブリと同じく、日本の家庭で多く見られる種類のゴキブリです。
今回は、チャバネゴキブリの侵入源と効果的な予防策について解説していきます。
チャバネゴキブリとは、その名の通り茶色い見た目をしており、他のゴキブリと比べて小型なのが特徴です。
成虫の体長は約10mm~15mmで、小型ゴキブリの一種に分類されます。
寒さに非常に弱く、基本的に屋外では生息できず、建物内でのみ生息するという特性を持ちます。
そのため、特に飲食店、厨房、食品工場、アパートの共有部、家庭のキッチンや冷蔵庫裏などでよく見られます。
チャバネゴキブリの最大の特徴は驚異的な繁殖力にあります。メス1匹が生涯に産む幼虫の数は約300〜400匹にも達し、短期間で爆発的に増殖するため、早めの駆除と対策が不可欠です。
チャバネゴキブリの駆除・対策は素人では無理?業者が解説についてはこちら👆
一般住宅でよく見かける クロゴキブリとチャバネゴキブリには、見た目や生息環境に明確な違い があります。
項目 | クロゴキブリ | チャバネゴキブリ |
---|---|---|
体長 | 30mm~40mm(大型のゴキブリ) | 10mm~15mm(小型のゴキブリ) |
体色 | 光沢のある黒茶色 | 黄褐色~薄茶色 |
特徴 | 動きが速く、屋外でも生息可能 | 寒さに極端に弱く、屋内でしか生息できない |
生息範囲 | 全国の一般住宅、飲食店、施設など幅広く生息 | 関東以南の温暖な地域に限定(屋内中心) |
屋外での生息 | 屋外にも生息し、暖かい時期に屋内へ侵入 | 屋外にはほぼ生息せず、屋内環境に特化 |
寒さへの耐性 | 比較的寒さに強く、壁の隙間や床下で越冬可能 | 寒さに弱く、暖房が効いた場所(厨房や家電の裏側)に潜む |
一般住宅でよく見かけるクロゴキブリとの違いは見た目に違いがあることが多いです。
クロゴキブリの体長は30mm~40mmで、大型のゴキブリに分類されます。また、クロゴキブリの体色は光沢のある黒茶色であるのに対して、チャバネゴキブリは黄褐色~薄茶色の体色をしています。
また、クロゴキブリは全国の一般住宅、店舗や施設などに生息しますが、チャバネゴキブリは寒さに弱いため、関東より南の地域でしか発生しません。
チャバネゴキブリは 小型ながら非常に強い繁殖力を持つゴキブリ です。
メスは1回の産卵で30〜40個の卵を孵化直前までお腹に抱えたまま移動します。
この卵の集合体を 「卵鞘(らんしょう)」 と呼び、メス1匹の生涯における産卵回数は約10回にも及びます。
卵鞘は産み落とされるとほぼ同時に孵化し、幼虫は6〜8回の脱皮を経て成虫になります。この成長期間はわずか約2ヶ月しかなく、成虫になるとすぐに繁殖が可能になるため、短期間で爆発的に個体数が増加してしまいます。
そのため、一度発生すると短期間で大量発生し、放置すると駆除が難しくなるのがチャバネゴキブリの厄介な特徴です。
一般的にゴキブリは、屋外から建物の侵入経路(窓や換気口などのすき間)を通って建物内部に侵入します。
ですが、寒さに弱く自然界や屋外に生息できないチャバネゴキブリはどのうようにして私たちの住居に侵入するのでしょうか?
チャバネゴキブリは寒さに極端に弱く、自然界では生息できないため、クロゴキブリのように屋外から建物内へ侵入して定着することはほとんどありません。その代わり、人の生活に密接に関わるルートで屋内に運ばれ、繁殖を始めるのが特徴です。
チャバネゴキブリの住居への侵入で一番多い被害が、食料品の段ボールや荷物に紛れ込んで住居に運ばれることです。特に 飲食店やスーパー、食品工場などから仕入れた食材の梱包材に潜んでいることが多く、荷解きの際に気付かないまま家庭内に持ち込まれてしまいます。通販で届く荷物にも紛れ込んでいる可能性があるため、頻繁にネットショッピング生鮮食品の宅配を利用する方は注意が必要です。
飲食店や食品工場などで働いている人は、仕事場でチャバネゴキブリが衣類やバッグに侵入し、そのまま自宅へ持ち帰ってしまう ケースが多くあります。
特に繁殖が進んでいる場所では、小さな幼虫が洋服の隙間やバッグのポケット内に入り込むこともあり、自覚がないまま家庭に持ち込まれて繁殖してしまうことがあります。
マンションやアパートなどの集合住宅では、部屋と部屋が天井裏や床下で繋がっているため、1つの部屋でチャバネゴキブリが発生すると、隣の部屋にも広がる可能性があります。チャバネゴキブリは 体長が小さく、わずか1mmの隙間があれば通り抜けることができるため、壁のわずかな隙間や配管の穴を通じて自室へ侵入してしまいます。
チャバネゴキブリは繁殖力が非常に強く、一度建物内に侵入されると駆除が難しくなる厄介な害虫です。
そのため、最も効果的な対策は「自宅に連れ込まないこと」です。発生を防ぐためには外部からの持ち込みを徹底的に防ぐことが重要になります。
チャバネゴキブリは外部からの侵入よりも、人の生活とともに運ばれるケースが多いため、日常的な注意が重要です。
チャバネゴキブリは寒さに極端に弱いゴキブリですが、暖房設備が整った環境では1年を通して生息し続けることができます。
特に冬場でも温度が保たれる室内では、繁殖が途切れることなく進行してしまいます。
冷蔵庫のモーター付近
冷蔵庫のモーターは常に通電しており、温かく暗いため、チャバネゴキブリが集まりやすい場所です。また、冷蔵庫の下や裏側はホコリや食品カスが溜まりやすく、掃除が行き届きにくいため、チャバネゴキブリにとって隠れ家として最適な環境になりがちです。
エアコンの内部
エアコンは冬場に暖房として使用されるため、内部の温度が一定に保たれやすいので住処にされやすい場所のひとつです。
チャバネゴキブリはエアコンの吸気口やダクトの隙間から侵入し、内部に住み着くことがあります。
電子レンジや炊飯器の裏側
電子レンジや炊飯器も使用時に発熱し、周囲が暖かくなるため、ゴキブリの住処になりやすいです。
特に電子レンジの下や側面に食べカスがこぼれやすいため、餌を求めて集まることがあります。
弊社が一般家庭で行うゴキブリ駆除の施工において、最も被害が多いのはクロゴキブリですが、チャバネゴキブリに関するご相談も少なくありません。
実際に現場へ行ってみると、建物内に飲食店が入っているケースや、同じフロアの居住者が頻繁に食料の配達を受けているケースが多く見られます。そのため、やはり食料が多い環境ではチャバネゴキブリの発生リスクが高くなると実感しています。
チャバネゴキブリが発生すると、見た目の不快さはもちろんのことさまざまな菌を媒介し、サルモネラ菌や大腸菌の原因となる可能性があるため、衛生面でも大きな問題になります。
特に小さな子どもがいる家庭では、健康への影響が気になってしまいますよね。
また、飲食店でも料理への混入リスクや、店内でゴキブリが発生してしまいお客さんに目撃されると、客足が遠のくだけでなく、ネガティブな口コミを書かれる原因となります。
こうした被害は店舗の評判や売上に直接影響を与えるため、飲食店経営者にとっては特に注意すべきポイントです。
チャバネゴキブリはクロゴキブリと違い、従来の殺虫剤が効きにくいことで知られており、その対策には特別な注意が必要です。
薬局やホームセンターで買えるゴキブリ用殺虫剤のほとんどはピレスロイドという成分でできており、チャバネゴキブリには効果があまり期待できません。
チャバネゴキブリは他のゴキブリよりも繁殖スピードが速く、世代交代のサイクルが短いのが特徴です。
チャバネゴキブリの寿命はは6か月~8か月程度ですが、その間に10回も産卵を行い、1匹のメスが最大400匹の幼虫を産むことができます。
そんな中、従来は効果的だったピレスロイド系殺虫剤に対して耐性を持つ個体が徐々に増えてきました。
最初は一部の個体が薬剤に耐性を持って生き残る程度でしたが、その生き残った個体が短い期間で繁殖を繰り返すことで、耐性の強いチャバネゴキブリが世代交代のたびに増加してきました。結果として、ピレスロイドが全く効かない個体が急増してしまったのです。
余談ですが、弊社が実際にチャバネゴキブリが発生している現場に行った時には、チャバネゴキブリにこれ以上薬剤抵抗性を獲得させないために、「ローテーション防除」という手法を用いて駆除を行います。
これは、使用する駆除剤の成分を意図的に変えながら施工する方法 です。たとえば、飲食店の厨房でチャバネゴキブリが発生した場合、数か月ごとに異なる種類の薬剤を散布し、耐性がつかないようにする ことで、継続的かつ効果的に駆除を進めます。
この方法を取らずに 同じ成分の殺虫剤を使い続けると、繁殖サイクルの速いチャバネゴキブリはすぐに耐性を獲得し、駆除が難しい個体が増えてしまいます。
チャバネゴキブリは、多くの市販の殺虫剤に対して耐性を持っているため、市販の殺虫剤での駆除はとても困難です。
また、チャバネゴキブリは繁殖スピードが非常に速く、個体数が他のゴキブリと比べて圧倒的に多いため、1匹ずつの駆除では根本的な解決になりません。
そのため、チャバネゴキブリの駆除には「連鎖的に駆除する方法」が推奨されます。
チャバネゴキブリには、巣に戻った際に仲間同士でお互いの体を舐め合う「グルーミング」という習性 があります。
この習性を利用することで、殺虫剤の効果を他の仲間に広範囲に伝播させ、連鎖的な駆除が可能 になります。
※ 2025年現在、チャバネゴキブリは従来の毒餌剤の主成分であった「ヒドラメチルノン」に対しても抵抗性を獲得しており、効果が薄れてきています。そのため、毒餌剤を選ぶ際にはより効果的な有効成分フィプロニルが含まれたものを選ぶことが重要です。
新しく開発された業務用駆除剤『ベクトロンSP』なら、薬剤抵抗性を獲得したチャバネゴキブリにも高い駆除効果を発揮します。
この製品は従来のピレスロイド系成分ではなく、新しい有効成分『メタジアミド系テネベナール』を主成分としており、薬剤が効かなくなったチャバネゴキブリやトコジラミにも優れた効果を示します。
本来はプロ業者専用の商品でしたが、2025年から一般の方向けに販売が開始されました。
ワンプッシュで簡単施工
→ ゴキブリに直接噴射するのではなく、部屋の床や隙間にあらかじめ撒くことで効果を発揮します。
→非忌避性の成分のため、ゴキブリが処理面を避けることなく通過し、しっかりと薬剤が付着します。
優れた連鎖駆除
→ ゴキブリは歩行時にお尻を地面につける習性があるため、薬剤の処理面を通過すると薬剤が付着します。
→ 巣に戻ることで、仲間に薬剤が広がり、連鎖的に殺虫効果が進行し、巣ごとの駆除が可能です。
抵抗性ゴキブリに高い駆除効果
→ メタジアミド系の成分により、ピレスロイド系に耐性を持ったチャバネゴキブリにも効果を発揮します。
→ トコジラミ(南京虫)にも高い駆除効果 を示します。
90日間の長期残効性
→ 一度処理すれば約3ヶ月間効果が持続するため、駆除だけでなく予防にも効果的です。
遅効性設計で確実に巣まで届く
→即効性が高すぎると巣へ戻る前に死んでしまいますが、ベクトロンSPは遅効性のため、確実に巣へ持ち帰られ連鎖効果が最大限に発揮されます。
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ゴキブリが通る場所や隠れやすい場所に散布する
→ 冷蔵庫の裏、シンク下、家電製品の隙間、飲食店の厨房など、チャバネゴキブリが潜みやすい場所に使用してください。
従来のピレスロイド系殺虫剤と併用しない
→ ピレスロイド系殺虫剤は忌避性の特徴があり、ゴキブリを寄せ付けなくしてしまうため、非忌避性のベクトロンSPとの相性が悪いため併用は避けてください。
定期的に処理し、予防効果を持続させる
→ 3ヶ月ごとに散布することで、新たな侵入や繁殖を防ぐぐことができます。
チャバネゴキブリに長年お悩みの方や、市販の殺虫剤での駆除に限界を感じている方は、ぜひ一度プロの駆除業者専用に開発された『ベクトロンSP』をお試しください。
従来の薬剤では駆除が難しくなった薬剤抵抗性ゴキブリにも、高い効果を発揮します。
商品の詳細やご購入については、以下のバナーからご確認いただけます。
お読みいただきありがとうございました!